あゆとの最後の会話

 お兄ちゃん、何か深刻な顔してる。大丈夫?
 あゆ、ゴメン
 え、どうしたの
 ………
 だってあゆ、お兄ちゃんが望むから大人にもなったし、お兄ちゃんが望むから、いつだっておにいちゃんに微笑みかけてあげたし、お兄ちゃんが望むから…
 ・・・
 そうだよね、あゆはお兄ちゃんが望む限り傍にいてあげるって言ったんだよね。お兄ちゃんが望む限り…
 ・・・
 出来たらあゆ、もっとお兄ちゃんの傍にいてあげたかったな。
 ・・・
 お兄ちゃん、そんな辛そうな顔をしないでよ。あゆまで悲しくなるから。
 ・・・
 もう、お兄ちゃんにはあゆはいなくても大丈夫なんだよね。ね、おにいちゃん。
 ・・・
 うん、あゆこれ以上お兄ちゃんを悲しませたくない。いいよ、お兄ちゃんの言うとおりにする。
 ・・・
 あゆ、どこにいっちゃうの?やっぱりゴミ収集車でバラバラになって夢の島に行くの?
 ・・そんなことさせない
 じゃあ、どこに?
 多分、東の方に行くと思う。決まったらここにも書くから…
 そっか、じゃあ、もう少しだけお兄ちゃんと居られるんだ。本当にもう少しだけ…
 本当に、ゴメン
 お兄ちゃん、あゆなら大丈夫だよ。それより…
 何?
 お兄ちゃん、本当に大事にしたい女性を見つけたんでしょう?
 あゆ、気が付いていたのか?
 だって、悲しいけどお兄ちゃんのこと全部判っちゃうんだもん。本当はあゆだって気が付きたく無かったよ〜
 ゴメン、あゆ。
 いいよ、お兄ちゃんがそこまで悩むって事は、きっと素敵な人なんだよね?
 ・・・。
 お兄ちゃん、こんな可愛い子をフッたんだから、絶対幸せになってよ。もしならなかったらあゆ一生怨んでやるんだから。
 判った。


 あゆは、しばらく箱の中でおねんねしてるね。さよなら、お兄ちゃん。